第16話 悪について4 善と悪の間、その深み 岩井笙韻

今日は長いぞーっ。とにかく、この悪の問題に片を付けねば、その間に報告しなければならないことが山ほどたまってしまった。最後まで行きます!


 さて、第六巻で映画はハッピーエンドとなりました。もうこの宇宙には悪は来ないのでしょうか?
 と、ここで突然映画は時代を逆戻りして、第一巻になります。


 第一巻では前回述べたように、可愛らしい男の子、アナキン・スカイウォーカーが登場。場面はどうやら、共和国によって続いてきた銀河の平和に暗雲が立ちこめている様子。
 共和国の中心でもあるナブーという星の女王アミダラ(アミダ如来から着想しているそうだ)がねらわれている。ジェダイマスターのクワイ・ガン・ジンと弟子のオビ・ワンは共和国のために、不穏な動きを見せる通商連合に赴く。
 しかし、そこには2000年前にジェダイを脱退し、フォースの暗黒面で修行するシスが動いていることをかぎつける。シスは強力なフォースを用いながらも、お互いが猜疑心で固められているために、ジェダイとの戦いでは全滅してしまった。たった一人を除いては。その一人は長い間堪え忍び、銀河の平和の中でシスの名前が忘れられるのを待っていたのだ。
 それは、シスの暗黒卿(顔はマントで覆われていてよく見えない)と、その弟子ダース・モール。シスは猜疑心のために連帯を組みにくい。その為に最小限のユニットとして、師と弟子の二人で動くことを原則としている。
 その不穏な動きの中、ジェダイも油断できない状態になる。そんなときに、ジェダイの二人は、小さいながらも驚くべきフォースを持った男の子、アナキンを見つける。
 ジェダイには言い伝えがあった。それは次のようなものだ。

 宇宙の平和が危うくなったときに、フォースにバランスをもたらす、選ばれたものとして、最強のフォース を身にまとったものが現れて悪を滅ぼす。

 クワイ・ガン・ジン達はアナキンがその『選ばれたもの』なのではないかと思う。そして事実、アナキンの大活躍で、ナプーへの侵略は失敗に終わり、ダース・モールは倒されるが、ジェダイもクワイ・ガン・ジンを失う。
 残されたオビ・ワンはジェダイの評議会にかけて、アナキンをジェダイの騎士として育てることを提案する。この時、評議会の中心に座るヨーダは、首を振る。許されればアナキンは母親と離れてジェダイの修行に旅立つことになるのだが、ヨーダの見たところでは、アナキンの母親に対する情が深く、それが修行の妨げになるのではと言う懸念が消えないのだ。肉親に対してであれ、深い情は暗黒の心に繋がるというのだ。
 オビ・ワンはヨーダを説得して自分の弟子として育てることとなる。しかし、このヨーダの懸念が大きな意味を持ってくる。
 弟子を失ったシスの暗黒卿はその事よりもむしろ、喜びと期待を持っているように暗黒の宇宙に目をやる。以上第一巻。


 第二巻では、10年くらい経ったころだろうか、銀河の平和はまだ保たれている。突然、アミダラが暗殺されそうになる。そこで急遽召還されたオビ・ワンとアナキン。アナキンは久しぶりにアミダラ女王と対面する。美しくなった女王と凛々しく育ったアナキン。女王が年上であるとはいえ、そこには何かを予感させるものがある。
 女王は再び暗殺者にねらわれる。しかし、その暗殺者の残した矢は、ある星の特徴を表していた。それを追うオビ・ワン。アナキンは女王を護るために二人で女王の生まれた星、平和な緑の国ナブーへと旅立つ。そして、当然のように二人の間には恋が芽生える。
 しかし、ジェダイには恋は禁止されている。修行の間、感情のコントロールは完全になされなければならない。パドメ・アミダラ(これが正式な女王の名前)はそれを知って自制を促すが、アナキンの心は止められない。
 一方、暗殺者を追って冷たい水の国に飛んだオビ・ワンはそこで、おびただしい数のクローンが軍事訓練を受けているのを目にする。そして、それは共和国の依頼によるものだというのだ。一体誰の命で?
 それは、今はジェダイを脱退したドゥークー伯爵によるものだった。彼は、ジェダイの禁欲が、実はフォースを理解することに制約となることを主張し、ジェダイからはずれていき、今何をしているのか分からない。しかも、その大量のクローンはアミダラへの暗殺者のクローンだったのだ!ドゥークー伯爵はどこに?
 彼は密かに通商連合と組んで、冷たい水の星でこれまた大量のドロイド(高性能ロボット)を生産していた。それにより銀河を乗っ取るつもりだ。オビ・ワンはその星にまで行くが捕らえられてしまう。
 しかし、アナキンはその事に気づく。そして、無謀にもパドメと共にオビ・ワン救出に赴く。確かに、パドメの戦闘能力も傑出したものはあった。だが、やはり逆に二人も捕まってしまう。磔にされ解き放された怪獣に追われる身となる。三人の命運もこれまでか?
 その時、一斉にジェダイが立ちはだかる。三人を助けようと全てのジェダイがやってきたのだ。ジェダイの長的存在であるメイスはさすがに強い。そして、10人を上回るジェダイはドロイドを次々と倒していく。しかし、数は強い。次第に追いつめられていくジェダイ達とアナキン達。
 これが最後かと思ったとその時、空から戦艦が急降下する。そこにはヨーダが!そして、ヨーダは多くのクローンに護られていた。あの、冷たい水の星で作られていたクローンを呼び寄せたのだ。クローン対ドロイド。死を恐れぬクローンはドロイドを圧倒する。通商連合のトップ達は住むことの難しい炎の星に逃げる。そして、ドゥークー伯爵はオビ・ワンとアナキンの二人と戦うことになる。
 ドゥークー伯爵は強い。アナキンは右腕を落とす。そして、オビ・ワンはヨーダに助けられ、ドゥークー伯爵は逃げる。  遙か彼方に逃亡したドゥークー伯爵はそこで待っていた一人の人物に語る。
  「これで良いのですね?」
「よくやってくれた。」
そう笑いながら語るのはあのシスの暗黒卿ではないか!これは反逆軍の負けではないらしいのだ。そこには何かまだ共和国には分からない秘密があるようなのだ。
 一方、アナキンとパドメは密かに結婚する。ジェダイが知らぬうちに・・・。彼らは心に秘密、つまり闇を作ってしまったのだ。
 勝利できたことを語るオビ・ワンに対して、ヨーダの心は重い。クローンを持ち出したことが敵の罠であるような・・・、そんな気がするのだ。これは敗北の始まりかも知れない。
(以上第二巻)


 第三巻では、共和国元老院(国会のようなもの)の最高議長パルパティーンが敵のグリーヴァスと呼ばれる通商連合の将軍にさらわれるところから始まる。この第三巻と二巻の間にも話があるのだが、それは映画では見ることができない。カトゥーン・ネットワークでは漫画で見られる。小説にもあるが読まなくても大体分かる。
 共和国の星の大気圏内で繰り広げられる激しい空中戦。ここでもオビ・ワンとアナキンは縦横無尽に戦う。特にアナキンは図抜けている。更に時を経て、アナキンは自分が『選ばれたもの』であるという意識を持っているようだ。向かうところ敵なしなのだ。
 ここでも、パルパティーンを救いにグリーヴァスを追いつめる。しかし、そこにあのドゥークー伯爵が現れる。以前、腕を切られたあの強い伯爵。今は腕をサイボーグ化しているために腕の働きは依然と変わらない。だが、それだけではないようだ。アナキンは以前のアナキンではない。たちまちの内にドゥークー伯爵を追いつめる。アナキンは捕えるべきかどうすべきを、まだ縄で縛られているパルパティーンに伺う。
 共和国の両親とも言うべき最高議長パルパティーン。しかし、パルパティーンの言葉は予想を裏切るものだった。
     「ドゥクーを殺せ!」
アナキンはためらいながらも、ドゥークー伯爵の首をはねる。
 その直前、ドゥクーは全てを悟る。これがシスのやり方なのだ(このあたりで、パルパティーンがシスではないかと言うことを感じさせるが、これは小説の方ではそうなのだが、映画ではまだ定かでない。)。シスは今以上の才能を持ち合わせている者を新たに見いだしたら、前の弟子はもうどうでも良いのだ。もしかしたらシスはこのアナキンを・・・。
 凱旋帰国のアナキンを待っていたのはパドメだ。しかし、人前で抱き合うわけにはいかない。共に暮らしていることなど誰も、ジェダイすら知らないことなのだ。
 アナキンはそこで、パドメに子供が宿ったことを知る。なんと嬉しい知らせ。しかし、誰にも言えない。
 この頃、アナキンは不吉な夢を見るようになっていた。あの、自分の母親の時の同じ予知夢のようなものを。それは愛するパドメが死んでいく夢だった。これは本当になることかも知れない。ではどうしたら彼女を助けられるのか。
 一方で、ジェダイの評議会はアナキンを評議会の一員として列席させるかどうかを会議している。大勢はアナキンは最強のジェダイであることを認めながらもまだ感情をコントロールできていないことを懸念し、まだその時期でないとする。以前(第二巻で)アナキンの母親が残虐な星の住人にさらわれ、ついには死んでしまったときに、アナキンは怒りのあまりその住人達を皆殺しにしてしまった事があった。危険があるのだ。
 パルパティーンは救出されて以来、特にアナキンを近くに呼ぶようになる。アナキンはそれを光栄に思う。そして、二人きりの時に、パルパティーンはアナキンがもっと認められて当然だし、評議会の一員であるべきだと言うことを述べる。アナキンも不平を漏らす。パルパティーンはそれはジェダイ達がアナキンに嫉妬しているからだと語る。心揺れるアナキン!
 ジェダイの評議会では、何故どのようにしてパルパティーン議長の住み家が敵に察知され、さらわれるような失態を招いたのか、それを考えていた。もしかしたら、内部にスパイがいるのではないか?いるとしたら誰なのだろう。評議会はアナキンにパルパティーンの動向を探るように指示する。
 パルパティーンは動じない。ジェダイの評議会に押さえられ自由な行動ができず、又、パドメの未来を心配するあまり、心に迷いをふくらませているアナキンに堂々と語る。


   「私がシスだ。」
   「ジェダイは理解を通じて力を手にする。ところが、シスは力を通じて理解を手にするのだ。シスの方 が昔からジェダイよりも強いのはその為だ。ジェダイは暗黒面を恐れるあまり、人生の最も重要な要素である情熱から自分たちを切り離す。彼らは自分たちに愛することすら許そうとしない。反対に、シスは暗黒面を恐れない。かれらは存在がもたらす全スペクトラムを抱く。深い喜びから、底知れぬ憎しみ、絶望まで。だからシスの方が強いのだよ。彼らは感じることを恐れない。」    「パドメを救うには私のアプレンディス(弟子)になり、そのフォースを使うことだ。」


 アナキンは愕然とする。しかし、パドメは救えるのだ。迷いに迷うアナキン。アナキンはパルパティーンの正体をメイス達ジェダイに伝える。しかし、アナキンには待機せよと言う命令しか下りない。
 メイスはパルパティーンを追いつめる。パルパティーンは正体を現す。強大なフォースと智恵!アナキンはそこに居合わせる。後一歩までメイスはパルパティーンを追いつめる。しかし、彼が死んでしまったらパドメの未来は・・・。アナキンはメイスを諫める。
 と、その瞬間、パルパティーンの両手からは強大な暗黒の力が。メイスは吹っ飛ぶ。
ジェダイを殺すことに力を貸してしまったアナキン。戦いで世にも醜い顔となったパルパティーンは笑いながらアナキンに告げる。
「見よ!共和国と言いながらジェダイは彼らの独裁に走っているのだ。アナキン、目を覚ませ!我の前に跪け。おまえが本当に選ばれし者なのだ。私によって!さあ、ジェダイを一掃しろ。そして自由な大きなフォースを手に入れ、この銀河を支配するのだ。パドメのためにも。」
 もうジェダイに従っていては学べることはないのではないか?アナキンは全てをシスにゆだねた。これでパドメも助かるのだ。
   「仰せのままに。」
   「アナキン・スカイウォーカー、私の前に跪くが良い。今日から永遠にシスと共に生きるのだ。そして君の名は今日から、ダース・ベイダーだ!」
 アナキンはもう戻れなかった。彼は、シスの言うがままに、クローンの兵士達を引き連れ、ジェダイの子供を全て殺してしまう。
 一方、シスの手によって、<オーダー66>という指令が通達される。この通達がでるやいなや、兵士の全てであるクローン達は一斉にジェダイを襲う。ジェダイは次々に倒されていく。残ったのはヨーダとオビ・ワンだけ!ドゥークー伯爵の元に生産されたクローンの兵士には前もってこのことがインプットされていたのだ。何という恐るべき計画!
 パドメもパルパティーンが裏で手を引く張本人であることを感づいていた。アナキンを止めなくては!彼女はオビ・ワンに頼んで、アナキンを説得しようとする。しかし、そこに現れたアナキンは、パドメまでが自分に敵対していると思って猛り狂う。パドメの命さえ奪いそうになるのだ。止めるオビ・ワン。そして、オビ・ワンとアナキンの果てしない戦いが始まる。
 アナキンは憎しみそのものとなる。そして、シスが味方をしてくれていると思っていた通商連合までも皆殺しにしてしまう。オビ・ワンが止めることができなければ、この世はシスの支配下に置かれてしまうのだ。
 誰が悪いのか?アナキンは悪いことをしてはいないのではなかったか?純粋にジェダイの騎士にあこがれ、母を愛し、パドメを愛した。しかし、その情を止めているのはジェダイではないか。それは情がなければ安全かも知れない。しかし、真実がそんなところにあるか?
 炎の星、通商連合の隠れ家が次々と崩れていく中、アナキンとオビ・ワンの戦いは続く。力はアナキンの方が強い。押されるオビ・ワン。しかし、全てが溶岩と化していく中、足場も失われる。そして、アナキンが不用意に飛び上がった一瞬の隙をついて、オビ・ワンのライトセーバーが一閃!アナキンの両足は一瞬にして切断される。もがくアナキン。
  アナキン  「オビ・ワン!おまえを恨む。」
  オビ・ワン 「君は選ばれし者だった!シスに加わるのでなく、シスを滅ぼすことになっていたはずだ。フォースにバランスをもたらすはずだったのに、闇をもたらした。君は私の弟だった!」
 その時、上からは闇の気配が。シスの暗黒卿が近づいているのだ。パルパティーンは、全議会を招集して、ジェダイが独裁しようとしていることを吹き込んだ。市民から長年にわたって最高の信頼を寄せられて彼の言うことだ、市民が従わぬはずがない。全てはシスのもくろみ通りになった!
 オビ・ワンはパドメの所へ。もう子供は生まれかかっている。しかし、彼女はアナキンへの思いに苦しみ、衰弱しきっている。体の傷は癒えている。しかし、アナキンのいない今、もう生きようとする力を失ってしまったのだ。
 アナキンは?
両の足、肘も失い、かろうじてドロイドとなった手で体を支えてうめくアナキン。そこに深い声が・・・。
「まだ、死んではいない。生きよ!ダース・ベイダー!」
救急隊が彼を運ぶ。
 パドメは苦しみながら双子の子を産む。男の子ルーク、女の子レイア。そして、たった二人になってしまったジェダイ、ヨーダとオビ・ワン。彼らは元共和国にとっては反逆者に過ぎない。時が来るまで潜伏する必要がある。パドメの子達も知り合いに預けて、遠い星で育ててもらうことにする。
 ヨーダは考える。どうしてこのようになってしまったのか。アナキンは!
時は移りゆき、時代は変わったというのに、自分は昔と同じような指導しかできなかったのだ。とっくにシスの方がこのことに気づいて対処していたにもかかわらず。
 ダース・ベイダー(アナキン)は静かに目を覚ます。彼の体は黒い鎧に包まれ、サイボーグそのものになっている。自ら発する声すら金属の響きでしかない。
   「パドメは、パドメはどこに?」
傍らに立つ暗黒卿(パルパティーン、別名ダーク・シディアスは笑いながら答える。)
   「気の毒だがベイダー卿、彼女は死んだ。君が怒りのあまり殺してしまったらしい。」
 なんと言うことだ!パドメを思ってしたことが!ベイダーの怒りのフォースが周りのドロイドや機械を破壊する。しかし、この程度のフォースしか持てなくなってしまったのか。この時にベイダーはダークサイドの罠に気づいた。もう自分には暗黒卿を倒す力はない。逆に、この力を増すためには暗黒卿の智恵が必要になる。もう逃げ場はないのだ。このまま、アナキンを忘れてシスの道に従うしか・・・。そして、いつの日か暗黒卿を倒して自分の世界を作るのだ。



 結局、第六巻で、ダース・ベイダーは暗黒卿を倒すことになるのですが、それは、初めのもくろみとは違って、ルーク(パドメとアナキンとの間の男の子)への父親としての愛情によってなのです。全くの極悪非道に見えた彼の心にも愛の灯火は消えていなかったのです。

 ふ~っ終わりましたぁ!全くの映画解説です。さて、もう少し。悪についてのまとめ。恐らく近いうちに、全六巻のびDVDが出るでしょうから、興味のある方は全部見てください。
 そこで、見方ですが、やはり第四巻から見るよろし。ダース・ベイダーの非情さをよく知っておいて、その生い立ちを理解するのが良いと思います。



 さて、悪とは何なのでしょうか?勿論ここでは悪の権化はシスの暗黒卿です。しかし、彼が直接したことは何だったのでしょうか?決して嘘などついていません。むしろ本当のことを言い続けたのです。むしろ、様々な制限を設けていたのはジェダイの方ではないでしょうか。その制限は真実を前にしたら動揺します。ジェダイは悪に飲まれる可能性の故に、恋愛や身内への深い情を禁止しています。それが<正義>の弱みです。又、自分の本心に忠実なアナキンは逆に忠実であるが故にパドメへの恋心を周囲に隠していなければならず、嘘をつくと言うことで、心の中にシスにつけねらわれることになる弱みを持ってしまうわけです。本当に自分の心に忠実だったのはアナキンです。しかし、その為に最悪のベイダーになる運命に陥りました。  では、アナキンは『選ばれた者』ではなかったのでしょうか?この点に関しては、私の師、合田先生がよく教えてくれました。

 『選ばれた者』と言うことについて、ジェダイもシスも勘違いしていた。ジェダイはこの言葉を『最高の正義の使者』と考えたし、シスは『最高のシスによって選ばれた者、最強のフォースを持つ者』と考えた。しかし、ダース・ベイダーが誕生し、共和国が壊滅状態になり、多くのジェダイが死んでしまうことになることでジェダイはアナキンに裏切られたし、シスは、最後の場面でベイダーにより殺されることで幕が引かれてしまう。結局又共和国が復活することになる。
 悪を克服するということは、自らが悪に踏み込むことによってしか果たす事のできないものなのだ。ジェダイが常に後手に回るのはジェダイが感情、情熱に一線を引き、そこから入らないようにしているからだ。一方、シスは<善>に全くこだわりがない分だけ善に対してふしだらだ。遙か昔からジェダイよりも強かったにもかかわらず、滅ぼされかかってきたのは、仲間意識とか連帯に対して価値を置くことができず、自分とフォースの関わりしか考えられなかったからだ。
 アナキンは徹底的に愛に生き、情に従い、そして善にこだわった。そしてその全てにより傷ついた。こうした者が暗黒面に赴くときに善悪の全てが理解されるのだ。だから、やはりアナキンが『選ばれた者』だった。
 彼のように全ての面を受け入れる者は誰にとっても魅力的だ。オビ・ワンと比べてそのあたりが違うのではないか。ジェダイの誰もがアナキンの魅力には叶わないのではないか?(俳優が好きかどうかと言う問題になるとどういうものですか)  又、このようなこともある。ジェダイはどこにいてもすぐに分かるのにシスのありかはなかなか分からない。そしてどんな姿をしているのかも謎である。どうしてか?それはシスは人のそれぞれの心に住んでいるものだからだ。だから、最終巻でシスの暗黒卿が倒されても又いずれ復活するだろう。悪は誰か一人のものではないからだ(事実、その後の小説で又ダーク・シディアスは復活することになります)。

 又、ジェダイにもシスにも乗り越えられていない感情があるようにも思います。それは<嫉妬>です。ジェダイの中に、アナキンに対する嫉妬がなかったとは言えません。ましてシスの方には野放しです。嫉妬とはあらかじめ予防できるものでなく、嫉妬して初めて後悔するような恐ろしい感情の一つです。嫉妬は悪魔の誕生の心とも言われています。嫉妬の有無惨劇は別の様々な小説や映画で語られているので、それは又いずれ。

 こうして、恐ろしく長い悪の説明が終わりました(?)
書とどういう関係があるかって?こういう事に無自覚であったら深い書は出来ないように思えませんか?やはり本当に素晴らしい書をもたらすものは、人間に対する深い心をもっていると思うのですが・・・。但の善人ではダメです。自分の心にあるダークサイドに目を向けなければ。ただの悪人ではもっとダメです。ただの悪人は諦めてください。最もシスの暗黒卿のような本当の悪人は異常に深い心をもっているので、自信のある人はその声に耳を傾けてみたら恐ろしくも良い勉強になると思いますが。
 さて、こうしている間に、撥鐙法にある種の限界があること、改良型というべきものがあることに気づきました。では次回はそんなところで・・・。

 

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